地方におけるスタートアップ/ベンチャーエコシステムの現状とこれから
※自分が仕事やプライベートで足を運んで感じた私見。
東京でスタートアップのエコシステム作りが昨今盛り上がりを見せ、スタートアップはもちろんそれを取り巻く環境も大きく変化している。
そして東京だけでなく、地方創生の流れを受け地方でもスタートアップ/ベンチャーエコシステム作りもだんだんと拡大してきている。
現時点で全国的に目立った動きをしているのは、
- スタートアップ支援を政策の目玉として掲げる政令指定都市(福岡市、神戸市等)
- 尖った中山間地(岡山県西粟倉村、北海道厚真町等)
- 地方活性化の結果盛り上がっている?(福井県鯖江市、山梨県富士市等)
- 復興支援と連動している例(東北、熊本)
の印象が強い。(勉強不足で偏りがあるかと思う。)
これからはこの動きは全国に拡大していき、これまでの大企業誘致ならぬ、有望なスタートアップやその予備軍を求めて各地方が競争をする時代に本格的に入っていくのだろう。
日本の伝統的大企業の不振、製造業の海外シフトといった世の中の流れを踏まえると、東京だけでなく日本全体で「仕事を創る」ということがもっと早くに重要視されていてもよかったような気もするが、地方での創業が盛り上がってきたのはごく最近、ここ数年だと感じている。
世界的なスタートアップ支援団体のSlushでも「起業することはカッコイイ」という空気を作り出すことをミッションとして掲げているが、こうした「空気を」を醸成していくことも非常に重要なのだなと、ここ最近実感している。
また、個人の生き方として起業家的生き方を目指す人が増えている。自分の人生においてやりたいミッションを通じて世の中を変革していきたい、そういう意味で「自分の人生」を生きたいという人が増えているように思う。
私自身も仕事を通じて自分らしく生きたいし、そういう人が日本中に増えてほしいと思っている。
そもそもなぜ今の仕事を選んだのだろうか?
振り返って考えてみると、決め手は「自由度(裁量というより仕事の内容)の大きさ」「社会のためになることをする を第一目的に行動できる」という部分に惹かれていたのかもしれない。(当時は言語化できていなかったが。)
大学在学中に米国留学をした際に、周囲からどう見られるかや、自分の能力不足などを言い訳にせずやりたいことを貫こうとしている人たちに会い、自分も能力不足は承知だがやりたいことを貫いてみたくなり、再度留学に向けた資金や試験の準備に邁進したことがあった。(しかし退路を絶って再度自分に向き合った結果、違う道を探すべきと思い至った。職人的に一つの道を追究していく生き方は私らしくないと気づいた。今となっては、自分の努力や覚悟不足、そして人生のもっと早い段階でこうした思考錯誤をしていればと思うこともあるが、残念ながら人生に"undo botton"はない。)
今では、自分が組織の中でどうしたら起業家的に生きられるか、自分の思いを持って仕事や社会を巻き込んでいけるかが自分の中でのテーマだと思っている。
組織としては個人に勝るリソースがあり、ここがリスクをとって動けるかが地域や社会にとって大きな鍵になるはずだ。もっと組織内外に、挑戦する人/挑戦を楽しむ人を増やしていきたい。
スタートアップ界隈からもらうパワー、挑戦することはカッコイイという価値観を受け取って、公的機関にも伝播していきたい。ここが変われば世の中も変わるはずだと思っている。